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#4
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【デザイナー’s Blog】作って良かった、ペイズリーシャツのおはなし
こんにちは。
デザイナーの武石です。
今回の【デザイナー’s Blog】は、「作って良かった、ペイズリーシャツのおはなし」です。
今シーズン展示会で人気だったアイテムの一つ、ペイズリーシャツについておはなししたいと思います。
秋色の長袖シャツって、今一番着たいアイテムです。私個人的に。ちょっと、また暑さが戻ってしまいましたけれども、袖をまくってアクセサリーを見せつけるにはもってこいのシーズン。(見せつける必要は無い)
こちらは店頭でもリリースするや否や、お問い合わせが相次ぎ、実は作った私自身ちょっと驚いている次第です。
もちろんこのシャツ片手にそこいらじゅうの人々に自慢して回りたいほどの自信作ではあるのですが、チェックやストライプほど馴染みのある柄ではないので、果たして人気のほどはどうかな…と企画段階では一抹の不安を残したまま、「ただただ私が作りたいから」といった理由で作ることを決めました。(結局やるんだね)
毎回、シーズンに数型そういうものが紛れています。笑
さてさて、こちらがどんな代物かと言いますと
上質な綿100%のタイプライター素材に、繊細かつクールな色調のペイズリー柄のプリントを施しております。
プリントというのは、沢山の色を使えば使うほど細かな柄を出すのが難しく、その技術の質が問われます。
しかしそこはさすが日本の職人技。プリントの表現力は大変良好で、このようにとにかく美しい!
そして縫製。こちらもKICS DOCUMENT. が自信を持って皆様に常々お伝えしているポイントです。
今回は縫う際にわざと太番手の糸を使用し、縫い目に小ジワができるようミシンの糸調子を調整してもらいました。
太番手の糸で縫うと、針を落とした部分がその糸の強さで生地が引っ張られます。
縫い目に程よくテンションがかかったところに、更にウォッシュ加工をかけますと、細かなシワが出来ます。これを「パッカリング」と呼びます。その状態がこちら。写真で分かるかな
上質な生地にこそ、このパッカリングの手法を取り入れると、とても品のあるカジュアル感が出て良い雰囲気に仕上がるのです。
ペイズリーという柄の特性上、綺麗に仕上げ過ぎてしまうと、ちょっとアレなんですよね。ね、アレ。
ここで、どんなものを合わせるとステキなのか、少しコーディネートのご提案をしていきましょうか。
LOOKではこんな風に提案しています。
趣向を変えてこんな感じにも。あぁ素敵。柄on柄、気分です。
その他、こんなグレーのスラックスと合わせてシックに。
はたまたこんな深いグリーンのコーデュロイスラックスと合わせて。秋、今年も来てくれてホントありがとうよと言いたい。
というわけで、手前味噌ではございますが、強めな見てくれに相反し誰とでもすぐに打ち解けられちゃういいヤツなんです。
我が子の活躍というのは何にも代え難い、大きな喜びなのですよ。ああ、本当に作って良かった。
ちなみに、ご覧の通りMen’s、Women’sのスタイリングが混在しておりますが、これも当ブランドの特徴。サイズによって「どちらでもどなたでもOK」、なのです。そして「このサイズだからこの人が着なきゃダメ」、ということはありません。作り手としては、色や形を選ぶようにサイズ選びも是非自由に楽しんで欲しいなと思っています。モデルの着用サイズは各商品ページに記載がありますので、是非参考になさってください。
ところで、ペイズリーの柄、よく見たことありますか?さっき出てきたけどもう一回見ます?
結構すごいですよね、なんというか、ミドリムシ感・・。いえ!これは草木をモチーフにした爽やかな柄なのであります。
ある文献によると、ペイズリー柄、つまり草花を元にしたモチーフが繰り返されるリズムは、人間の心理に安心感を与える効果があると考えられているそうです。
なんと。
かっこいいだけでなく、心に安らぎを与えるとな。
この激動の時代に、無意識に求められているかもしれないですね。うん、秋の夜長にシンと考えを巡らすのには良いトピックではないですか。
どんな理由にせよ、「着ていて安心する」って大事かも。と、私個人は思っています。
それは、肌触りの良い生地であったり、しっかりとした縫製であったり、きちんと自分に合ったサイズ感であったり、しっくりとくる色であったり、人によっても安心の要素は様々ですね。
KICS DOCUMENT. のアイテムは、ファッションならではの高揚感と、この「安心感」をもたらすことをいつも大事にして作られているんですよ。
その要素がふんだんに詰まったこちらのペイズリーシャツ、是非体感してみて下さい。
《追伸》こちらはお色違いで黒もございますが、現時点で早くも残り1着となってしまいました。そしてこのBlogを書き綴っている間に、ベージュも残り1着に。むうっ!是非お早めにです。
デザイナー 武石